ULT誕生秘話
by Marcia Yoko Shimosaka
【 二つの出会いと一つの約束】
物語の始まりは、今から約8年前に遡ります。
8年前のある時期に、私はBoram(ボラム)と出会い、それとほぼ同時期にタカさんにも出会いました。
当時、タカさんは「Coffee in Good Spirits Championship」の日本代表チームの一員で、私は彼に代表チームのサポートを依頼されました。タカさんとやり取りを始めてからすぐに、私は彼のコーヒーに対する並々ならぬ情熱と献身的な姿勢に心を奪われました。ある日、彼は「日本でコーヒーの輸入会社を立ち上げたい」という長年の夢を打ち明けてくれました。私は迷うことなく「いつか、その夢の実現を手助けしたい」と約束したのです。
一方、私はブラジルの「Fazenda Um(ファゼンダ・ウン)」で品質管理とコーヒー生豆の輸出に携わっていました。偶然にも、同時期にBoramも品質管理を担当することとなり、私たちは協力し合い日々の業務に取り組むようになりました。
【ブラジルから日本へ。夢の架け橋】
初めての出会いから数年後、タカさんから再び連絡がありました。彼が話してくれたのは「ついに日本でコーヒー生豆の輸入会社を立ち上げた」という嬉しい知らせと、「ブラジルのコーヒーをぜひ扱いたい」という強い要望でした。
タカさんにとって初のブラジル訪問は、その連絡から間もなく実現しました。彼はミナスジェライス州とエスピリートサント州のコーヒー産地を巡り、コーヒーの品質の高さと多様性に深く感銘を受けていました。
このブラジル訪問を契機に、タカさんが設立したSyuhari Coffee Importers(シュハリ・コーヒー・インポーターズ)と Fazenda Umとの間でパートナーシップが結ばれ、後のULT Coffee Roastersの礎が築かれたのです。両者の信頼関係は、共通の価値観と品質へのこだわりをもとに、時間とともに強固なものとなっていきました。

【ULT、大阪に誕生】
2023年、Boramと私は「ワールド・バリスタ・チャンピオンシップ」での優勝をきっかけに、アジアでのロースタリー設立に向けて動き出しました。
拠点の有力候補として挙がったのはやはり日本。そして、この夢の実現は、タカさん抜きには考えられませんでした。
8年前のふたつの出会いと3人に共通するコーヒーへの熱意は、「ULT Coffee Roasters」としてタカさんの故郷である大阪で結実することとなります。
【ULT Coffee Roastersに込められた想い】
ULT Coffee Roastersは、3人のコーヒープロフェッショナルの夢の集大成です。
ULTは、3人の物語を共有するためだけの場所ではなく、日本を含めたアジアのコーヒーシーンでリーダーとしての役割を担い、業界の成長に貢献することを目標としています。私たちは、コーヒー業界に関わる全ての人々との絆、コーヒー生産者の努力を大切にし、より高い品質のコーヒーを追い求めます。
そして、コーヒー豆の生産から一杯のコーヒーが完成するまでの各工程における私たちの知見と、日本のおもてなしの心を融合させ、最高のコーヒー体験をお客様にお届けすることを目指します。
ULTの核となる価値観は「透明性」と「尊敬」です。洗練されたシンプルな店舗デザインから、接客、提供するコーヒーの品質に至るまで、すべてにこの価値観を反映しています。
ULT Coffee Roastersを訪問されたお客様には、最高級のスペシャルティコーヒーを味わうだけでなく、一杯のコーヒーを通して私たちの情熱も感じていただけると幸いです。
